※以下は2023年時点の内容です。2026年に一部法改正されました(詳細は末尾・次回記事で)。
前回の記事では
成人した知的障害の人が、親が亡くなった際に遺産を相続する場合、成年後見人(以下「後見人」とします)をつけないと相続ができない可能性がある
と書きました。
しかし、この制度には大きな問題があります。
2023年時点での問題点を、我が家を例にまとめます。
後見人は家庭裁判所が決める。家族に決定権なし
私の死去後、相続時に、夫が「えぬ」の後見人になりたい、知っている専門職に任せたい、と考えるのは、親として自然な気持ち。
しかし
後見人を決めるのは家庭裁判所です。家族に権限はありません。
(希望は出せるが、通るとは限らない)
家庭裁判所が、家族の知らない専門家を選任し、「初めまして」ということも。
全く知らない人に、相続で子供の大切な財産を任せる、これはかなり不安材料。
※補足
私の遺産を相続する場合、家族みんなが相続人になります。
家族が後見人になっていても、相続の場面だけは、後見人(家族)と被後見人(えぬ)の利害がぶつかってしまいます(これを「利益相反(りえきそうはん)」といいます)。
その時は、相続手続きのときだけ、家庭裁判所が「特別代理人」という別の人を選んで、えぬの代わりに遺産分割をしてくれるそうです。
本人の意思より「財産管理」が優先されがち
後見人の役割は、えぬの財産を守り、生活を支援すること。
しかし、財産の安全な管理が優先され、本人がやりたいことや望む生活ができないケースも指摘されています。
えぬが「〇〇を買いたい」と言っても、「財産が減るからダメ」として認められないこともあります。えぬのお金なのに、自由に使えないかもしれない、これは由々しき問題。
ニュースにもなっていました(障害を負った夫に、成年後見人が選任されたケースです)
障害を負った夫のために、夫が貯めてきた大切な財産で好きなことを叶えてあげたい。
そんな妻の切なる希望を、後見人に妨げられるなんて、悲しすぎます。
後見人は一度つけると、原則一生のつきあいになる
後見人がつくと、被後見人の判断能力(自分のことを自分で決められる力)が回復しないかぎり、後見人との関係は一生続きます。
(前掲したニュースのご夫妻は、夫の判断能力が回復したと医師に診断書を書いてもらい、家庭裁判所に申請、8ヶ月後にようやく後見人を外せたとのことです)
えぬの場合、残念ながら判断能力が回復することはありません。相続の手続きのために後見人をつけたら、手続きが終了しても後見人を外すことは出来ません。
原則として解任できない
本人も家族も後見人も人間、相性はあります。様々な理由で、後見人を変更したくなることもあるでしょう。
しかし、後見人は、よほどのこと(不正行為や、お金の管理がずさんなど)がない限り、本人家族の希望だけでは変更することは出来ません。
※法律上では「家族側から解任を申し立てる」「後見人本人から辞任を申し立てる」という制度はありますが、どちらも家庭裁判所の許可が必要です。
相性が悪い程度では認められず、子供の大切な財産を任せ続けなくてはいけないのです。
夫婦でさえ気が合わなければ「離婚」という選択肢があるのに、後見人にはそれがない。
もう一体なんなのよ(# ゚Д゚) ムカッ!
後見人がついている間、費用がかかり続ける
後見人に専門家(司法書士・弁護士など)が選任された場合、毎月報酬が発生します。
一般的には月2〜6万円。年間で24万〜72万円!
※報酬は、財産に応じて家庭裁判所が決めます。財産が多ければ、報酬の月額も上がります。
これが数十年続くかもしれないと考えると、末恐ろしい。
ネ◯フリもア◯プラも解約できるのに、まさに最「凶」サブスク((((;゚Д゚)))))))
2026年、民法改正案が可決・成立しました
このように、2023年時点での成年後見制度には、たくさんの問題がありました。
しかし、親が亡くなり、判断能力がないとみなされた子供が相続人になってしまった場合、後見人なしでは手続きを進めることはできません。
認知症の高齢者の増加もあり、後見制度が必要とされている場面は増えています。
ならもっと使いやすい制度にしろー!
問題多すぎるんじゃ!!
ゴリァ━━ヽ(o`ω´o)ノ━━ァァ!!
そのような声が大きくなってきました。
国も「成年後見制度」の問題をとらえ、2026年6月に改正案が可決・成立しました(施行は2028年頃の見込みです)。
次回の記事に、改正案の内容をまとめます。


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