前回の記事で、知的障害のある子が親の財産を相続する時に、「成年後見制度」のもとに、「成年後見人」(以下、「後見人」とします)を家庭裁判所が選任する、と書きました。
「これで相続の問題は解決したじゃん!」と断言したいのですが、この制度には大きな問題があります。
我が家の子供「えぬ」を例に、書いていきます。
後見人は家庭裁判所が決める。家族に決定権なし
私や夫が「えぬ」の後見人になりたい、私たちに何かあれば、信頼できる専門職に任せたい、と考えるのは、親として自然な気持ち。
しかし
後見人を決めるのは家庭裁判所です。家族に権限はありません。
(希望は出せるらしいが、それが通るとは限らない)
家庭裁判所が専門家を選任してから「どちら様?」「どうもはじめまして〜」ということも。
全く知らない人に、子供の大切な財産を任せることを不安に感じるのも当然です。
※補足
私が「あばよ!」(亡くなったら)して家族が相続する場合、家族みんなが相続人になります。
家族が後見人になっていても、相続の場面だけは、後見人(家族)と被後見人(えぬ)の利害がぶつかってしまいます(これを「利益相反(りえきそうはん)」といいます)。
その時は、相続手続きのときだけ、家庭裁判所が「特別代理人」という別の人を選んで、えぬの代わりに遺産分割をしてくれるそうです。
本人の意思より「財産管理」が優先されがち
後見人の役割は、えぬの財産を守り、生活を支援すること。
しかし、財産の安全な管理が優先され、本人がやりたいことや望む生活ができないケースも指摘されています。
えぬが「〇〇を買いたい」と言っても、「財産が減っちゃうからダメ」として認められないこともあります。えぬのお金なのに、自由に使えないかもしれない、これは由々しき問題。
ニュースにもなっていました(障害を負った夫に、成年後見人が選任されたケース)
自分のお金を自由に使えないだけならともかく、後見人が被後見人のお金を横領する事件も後を経ちません。
まさに大問題よ( `ω´*)キエエエエーーエエィィ!!
後見人は一度つけると、原則一生のつきあいになる
後見人がつくと、被後見人の判断能力(自分のことを自分で決められる力)が回復しないかぎり、後見人との関係は一生続きます。
(前掲したYouTubeのご夫妻は、夫の判断能力が回復したと医師に診断書を書いてもらい、家庭裁判所に申請、8ヶ月後にようやく外せたとのことです)
知的障害のある人は、残念ながら判断能力が回復することはありません。相続の手続きだけのために後見制度を使って後見人をお願いしたのに、手続きが完了しても、後見人を外すことは出来ません。
数十年にわたって後見人との関係が続くこともありえます。
原則として解任できない
本人も家族も後見人も人間、相性というものがあります。様々な理由で、後見人を変更したいこともあるかもしれません。
しかし、後見人は、よっぽどのこと(不正な行為や、お金の管理がずさんだったなど)がない限り、家族の希望だけでは変更することは出来ません。
※法律上では「家族側から解任を申し立てる」「後見人本人から辞任を申し立てる」という制度はありますが、どちらも家庭裁判所の許可が必要です。
相性が悪い程度では認められず、子供の大切な財産を任せ続けなくてはいけないのです。
夫婦でさえ気が合わなければ「離婚」という選択肢があるのに、後見人にはそれがない。
もう一体なんなのよ(# ゚Д゚) ムカッ!
後見人がついている間、費用がかかり続ける
後見人に専門家(司法書士・弁護士など)が選任された場合、毎月報酬が発生します。
一般的には月2〜6万円。年間で24万〜72万円!
※報酬は、財産に応じて家庭裁判所が決めます。なので、財産が多ければ、報酬の月額も上がります。
これが数十年続くかもしれないと考えると、末恐ろしい。
ネ◯フリもア◯プラも解約できるのに、まさに最「凶」サブスク((((;゚Д゚)))))))
問題だらけの後見制度、見直しが始まっています
このように、2023年時点での成年後見制度には、たくさんの問題がありました。
しかし、障害のある子供が相続人になってしまった場合や、大きな契約が必要になった場合など、後見人なしでは手続きを進めることはできません。
認知症の高齢者の増加もあって、後見制度が必要とされている場面も増えているでしょう。
ならもっと使いやすい制度にしろー!
問題多すぎるんじゃ!!
ゴリァ━━ヽ(o`ω´o)ノ━━ァァ!!
とお怒りの方が続出しても当然だし、実際そのような声が大きくなってきました。
国も「成年後見制度」の問題を真剣に捉え、2026年2月に改正案のもとがまとまり、近いうちに国会で話し合いされる予定です。
詳しい内容は、次回の記事に続きます。


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